「確率」と「確立」の意味と違いは？間違いが多い理由は？

「確率」と「確立」の意味と違いは？

間違いが多い理由は？

「確率」と「確立」の意味と違いは？

2017年現在、世間ではガラケーからスマートフォン（通称：スマホ）への移行が進み、今や8割以上の方がスマホを所有している時代となりました。技術の進歩も目覚ましく、片手に収まるサイズのスマホは一昔前のパソコンをはるかに凌駕する機能・性能を有しています。

そんな中で、通勤中の電車やバスの中あるいはちょっとしたすきま時間に気軽に楽しめるソーシャルゲームもまたスマホアプリとして世間に浸透しています。

そんなソーシャルゲームですが、アイテム課金というスタイルが主流になっています。これはゲーム自体をプレイするのは基本的に無料ですが、ゲームをより有利に進めるために必要なアイテム等をゲーム内で販売するというものです。

その中でも、ほとんどのソーシャルゲームが収入源として打ち出しているのが、俗に言う「ガチャ商法」という手法です。

子供向けのカプセルトイを販売する自動販売機「ガチャガチャ」をゲームのシステムに組み入れたもので、１回参加ごとに費用を負担させて、ゲームをより有利に進めるために必要なアイテム等を一定の確率によりランダムで出現させて賞品・景品にするというものです。

ガチャの性質上、課金すれば必ず手に入るというわけではありません。出現確率が低く設定された目玉商品でプレイヤーの興味を引き、「次は出るかも・・・次こそは・・・」とガチャへの連続参加を促すという、人間の心理を突いた上手い手法です。

最近では、その目玉商品の出現確率があまりに低すぎるため、数万円あるいは数十万円費やしたのにもかかわらず目玉商品を入手できない人が続出し、問題となったソーシャルゲームもあるほどです。

前置きが長くなってしまいましたが、そんなソーシャルゲーム事情の中、気になったのがゲーム内のチャットや某有名質問板での以下のような文章です。

「○○ガチャで星5が出る確立はどのくらい？」

「○○ガチャは時間帯で当たり確立が変わるって本当？」

「10連ガチャだとレア確立33%！ 」

・・・考えました。本来「確率」と書くべき所を「確立」と書くのが流行っているのでしょうか？もしくは、２ちゃんねる用語あるいはネットスラングといった類のものなのでしょうか？

ネットで調べてみましたが、「確立じゃなく確率な。」などと親切に指摘している方も多数見受けられたので、特定の掲示板の用語でもなくネットスラングでもなさそうです。

ということで、確率と確立の本来の意味。

確率
《probability》ある事象の起こる可能性の度合い。公算。蓋然率(がいぜんりつ)。「確率が高い」デジタル大辞泉より引用

「明日、横浜で雨が降る確率」

「A君が○○大学に合格する確率」

「Aチームがリーグ戦で優勝する確率」

英語の「probability」に相当するのが「確率」ですね。それに対して、

確立
［名］(スル)制度・組織・計画・思想などを、しっかりと打ち立てること。また、しっかりと定めること。デジタル大辞泉より引用

「信頼関係を確立する」

「外交方針を確立する」

「女性の地位の確立に貢献する」

英語の「establish」に相当するのが「確立」です。

「確率」と「確立」の間違いが多い理由は？

「確率」と「確立」の間違いが多い理由として最も有力なのは、キーボード入力による変換が原因という説です。

キーボードで「かくりつ」と入力して変換を押すと、候補の一番上に「確立」が出るからだという理由です。時代の流れというか、現代社会ならではの理由ですね。

その他にも間違えやすい同音異義語は数多く存在します。その一部を以下に挙げてみました。

あ、上の文章でも「如何に」「上げて」が最初の変換候補として出てきました。本当に誤変換は危ないですね＾＾；。

「（イシ）を貫く」　意志　or　意思　？
「資料の（ハイフ）」　配布　or　配付　？
「アンケートの（カイトウ）」　回答　or　解答　？

こういった同音異義語にありがちな誤変換を防ぐには、変換ソフトの候補に詳細な意味を出してもらうしかないですね。

例として挙げた「いし」「はいふ」「かいとう」は用途とともに変換候補が出てきます。これなら誤変換は防げそうです。

ただ、今回のテーマである「かくりつ」は、少なくとも今私が使用しているパソコンの変換ソフトでは変換候補のみで、辞書・用途は出てきませんでした。「かくりつ」の誤変換が多い理由かもしれませんね。